WordPress3.0では、子テーマを使ってテーマファイルをメンテナンスする手法があります。子テーマをうまく使うと、WordPressバージョンアップ時に再度ファイルを変更し直す作業が減り、とても便利です。
はじめに
今まで私は、WordPressの外観を変更したい場合は、既存テーマのファイルを直接変更していました。Twenty Eleven のテーマを元にしている場合、wp-content/themas/twentyeleven 配下にあるファイルを直接改修していました。
ただ、この方法では大きな課題がありました。「テーマを含むWordPressのバージョンアップをする場合に、非常に手間がかかる。」という課題です。
バージョンアップをする際に、まず大元のファイルを入れ替えた後に、バックアップしておいたファイルから変更した部分を抜き出して反映させる作業が必要な状態でした。これは非常に邪魔くさい作業であり、変更した部分を覚えておかないといけない状態でした。
今回、たまたま知った情報ではありますが、目から鱗のとても便利な手法を知る事ができました。
「WordPress3.0以降は、子テーマという概念がある。変更する部分のみをファイルで切り出し、子テーマのフォルダに入れておくだけで変更を実現できる。それによって、バージョンアップ時に楽になる。」
そんな方法があったのかと、今更気づいた訳です。WordPressの便利さ、奥深さに感動しつつ、早速「子テーマ」を使ってみました。
子テーマを使う為の環境設定
ここでは、子テーマを使う為の環境設定について記載しています。(子テーマを使った具体的な変更については記載していません。)
まず、子テーマ用のフォルダを wp-content/themes に作成します。他のテーマが配置されているフォルダと同じ階層に子テーマのフォルダを作成します。フォルダ名はなんでも良いみたいです。私は「child」にしました。
# mkdir /(wordpress導入先)/wp-content/themes/child
子テーマ用のフォルダには、style.css が必須で必要になります。よって、child フォルダの中に、以下の内容のstyle.css を作成配置しました。
※ 以下の例は、親テーマとして「Twenty Eleven」を使っている場合の例です。
# cat style.css /* Theme Name: Child Template: twentyeleven */ @import url('../twentyeleven/style.css'); #
次に、WordPress管理画面から、「テーマの管理」画面を表示します。
「Child」というテーマが表示されていますので、「有効化」リンクをクリックします。そうすると、現在のテーマが「Child」になります。
実際にブラウザでサイトを確認してみると、元々の親テーマのデザインのままで表示されます。
以上で、子テーマを使う為の環境設定は完了です。結構簡単です。
※ functions.php ファイルを変更する場合は少し異なった作業になりますが、考え方はほぼ同様になります。
子テーマを使った変更方法
親テーマのファイルで変更したい部分があれば、child フォルダ内に該当ファイルを作り、変更したい部分だけを記載するだけで済みます。
「WordPress Codex 日本語版 子テーマ」に簡単な使用例が記載されていますので、参照いただければと思います。
この「子テーマ」を知っているのと知らないのでは、WordPressバージョンアップ作業の工数で大きな違いが出てくると思います。今まで知らなかったのがもったいない気持ちがありますが、今後は結構ラクになりそう!